
こんにちは。
アイドル戦国時代、みなさんは推しっています?
AKB48、乃木坂、ハロプロ。
僕が知ってるアイドルはこの辺しか無いわけだが、地下アイドルを含めたら多分かなりの数のアイドルが存在する。
そしてアイドルが存在すればするほど、そのアイドルを推しているファンがいる。
人間はアイドルとファン、この2つに分けられる。
アイドルとして舞台に立ち脚光を浴びるのが幸せか。
ファンとして推しのアイドルの幸せを願い、応援するのが幸せなのか。
それはどちらにも属さない僕にはわからない。
ごめん。どちらにも属さないのでアイドルとファンの2つには分けられない。
人間はそんなに単純じゃない。
なので僕は推しと呼べるようなアイドルはいない。
いや、いなかったと言うべきだろうかーーー
握手会の思い出
僕は昔、AKB48の握手会に何度か行ったことがある。
AKBファンの友達に余った握手券あげるからお前も握手してこいよと言われ、誰やこいつ・・・と心で感じながらもアイドルの女の子と手と手を重ねた。
あの瞬間、誰も得しない最悪な空間が完成した。
アイドル「こんにちはー^^(なんだこのキモオタ・・)」
ぼく「ア、コニチワー(だれだこいつ・・)」
お互いに知らない者同士。
もちろんアイドルの女の子は僕のことなんて知らない。
そして僕もこの子の名前すら知らない。
握手会という建前を守るためにお互いが役割に徹する。
アイドルの女の子と、アイドル推しのキモオタ。
この役割を果たすためだけの仮初の握手会。
僕が行ったこの握手会は一回あたり大体10秒くらいアイドルの女の子とコミュニケーションができる時間があった。
アイドルを推している人たちからしたら濃密で短い、わずか10秒。
もっと話したい。そう考えて同じ握手券を複数購入する猛者もいるほど。
しかし僕にしてみればこの10秒が永遠とも感じられるほど長かった。
握手会という舞台の中で
1秒
挨拶を交わす。
誰だこいつは・・と思いはしたが、僕も大人だ。
握手券を持ってきたのだからこの役割に徹さなければならない。
2秒
挨拶も終わり手と手を重ねる。
僕はこの"握手会"という舞台の役者。
年下の女の子に恥をかかせるわけには行かない。
3秒
無言で見つめ合う。
これは一体なんの時間なんだろうか。
知らないアイドルの女の子と、そのアイドルを知らないオタク。
謎の空間。
4秒
早く終わってくれ!汗が止まらない。
女の子は何度も練習してきたであろう自然に作り上げられた笑顔を見せている。
無言でいるのも耐えられない!なんとか話題を探さないと。
5秒
ぼく「は、はじめて握手会きたんです。」
なけなしの勇気を振り絞り話しかけてみる。
アイドルの女の子からしてみたら、お前の握手会の頻度知らねえわ。となるところだし、そう言われてもなにも言い返せないくらいに意味わからないことを僕は伝えた。
6秒
そうなんだー私がはじめて〜?うれしいー
作り上げられた笑顔を崩さず、間髪無くレスポンスが返ってくる。性能の良いAPIだ。
きっと何度も言われてきたのであろう。
それでも無言の時間がなくなったのと、意思の疎通がとれたのとで安堵している僕がいた。
7秒
よく見ると女の子は薄めの化粧をしていて少し汗をかいていた。
夏場の糞暑いパシフィコ横浜で、何百人という相手に最大限の笑顔で頑張っている。
その相手が一切自分のことを知らない男とは知らずに。
8秒
なんて偉いんだ。僕のようなキモオタにも分け隔てなく接してくれる。
この世に天使がいるのであれば、きっと彼女のことだ。
僕は確信した。
She is angel
英検5級所持者の神童であった僕の頭に浮かんだ言葉。
9秒
重ねた手がほどかれていく。
ああ、この幸福な時間が終わってしまう。
手が離れることで初めて時間の経過に気づく。
この時間は永遠ではないんだ・・。
10秒
名前も知らないアイドルに恋をしてしまう。
だがいいのか?
アイドルとファン。
これは叶うことのない恋。
仮にこの子のファンとなり、応援したとして、きっと僕は彼女の数あるファンの中のひとりでしかない。
叶わないとわかっている恋を続けるのは、幸せなことなのだろうか?
そして男のスタッフの終了ですという言葉とともに二人は引き離される。
僕たちの関係を邪魔する男スタッフ。お前は敵だ。
女の子はまた来てねと、笑顔で手を振ってくれる。
そして僕たちは別れた。
僕は初めての握手会を終えて呆然としていた。
アイドルに恋をしてしまっても、きっとこの恋は実らない。
ただもう一度、もう一度でいいから彼女と話したい。
でも、それは時間の無駄でしかないのではないか・・?
アイドルとはその名の通り虚像。
実らない恋のために時間やお金を捨ててしまうことになっても、それでいいのか・・?
でも、、
でも、、、
いや、待てよ?
なぜ付き合えないと、恋が実らないと決めつけているんだ・・?
真剣にアイドルと付き合う方法を考える
"アイドルとファン"という構図からはどうしても付き合うというゴールは見えない。
であればファンではない別の役割をもって彼女に近づくことができれば或いは・・・?
例えばマネージャー。
彼女の事務所に入り込み、マネージャーとして働く。
でも冷静に考えてそんなやつキモすぎる。
僕にもまだ理性ってのがある。
マネージャーの線はなしだ。
しかも自分の管理も碌にできていない僕がアイドルのマネージメントなんてできるはずもなかった。
マネージャーはさすがに距離が近すぎる。
であれば関連企業に就職するのはどうだろうか?
- 音楽配信企業の社員
- 音楽番組のスタッフ
この辺に入り込むことが出来たら、可能性は限りなく低いが0ではなくなるのではないだろうか。
しかし僕には音楽の知識はない。
高校時代に軽音楽部でモテたいためだけにギターを練習したくらいしか音楽の知識はない。
そんなやつがアイドルと付き合いたいという不純な動機だけで、情熱だけで面接を突破して就職することができるのだろうか。
多分無理だ。
なのでこの線もなし。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという言葉を知っているだろうか?
忘れていた。僕は賢者。
過去にアイドルと結婚した人たちから学べばいいだけではないか!
インターネットは便利だ。こういうときにすぐに欲しい回答をもらえる。
さっそく検索をしてみる。
- 俳優
- プロサッカー選手
- IT企業社長
- 医者
うん、無理
最後に
結局のところ、ファンはファンでしかなくて、アイドルと付き合うなんていうのは夢のまた夢だった。
こうなるくらいならもっと勉強をしてIT企業社長になれるように頑張っていればよかった。
IT企業社長になれないのであれば、とんでもない幸運な出来事でもなければアイドルと出会うことすら無理。
この真実に気づいた僕は、握手会のアイドルの女の子に二度と会うことはなかった。
彼女は元気にしているだろうか。
彼女が幸せであることを、東京の片隅で願っています。
これで、よかったんだよね・・。
アイドルと付き合いたい!結婚したい!と思っている人が現実にいるかどうかはわからない。
ただ仮にいるのであれば、僕から言えることは一つだけだ。
勉強をしなさい。
たくさん勉強をしなさい。
そして起業しなさい。
そして会社を大きくしなさい。
社長仲間でアイドル界隈に詳しい人と繋がりなさい。
合コン開いてもらいなさい。
合コン開いてもらえるように頑張って勉強しなさい。
いやなんのはなしだこれ